決算レビュー

2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)

経営成績等の概況

2020年4月24日発表 (単位: 億円)
  2019年3月期 2020年3月期 前期比
受注高 2,752 2,878 4.6%
売上高 2,825 2,759 △2.3%
営業利益 647 587 △9.2%
税引前利益 662 586 △11.5%
当期利益 570 535 △6.1%

当連結会計年度における世界経済は、保護主義的な通商政策を背景とした貿易摩擦の拡大懸念が長期化したことに加え、2020年に入ってからの新型コロナウイルスの世界的流行により、その先行き不透明感が一段と強まりました。
この不確実な経済情勢のもと、エレクトロニクス、自動車、産業機器など、広範な領域で最終製品需要や設備投資が減衰し、その影響が半導体需要にも波及しました。2019年の半導体市場は好調だった2018年から一転してマイナス成長となり、その結果、在庫過剰感が強まったメモリ半導体業界を中心に、多くの半導体メーカーで生産調整や製造装置の投資計画の見直しが進められました。
一方で、半導体試験装置の需要は、被測定デバイスの生産量の増減だけではなく、半導体の技術進化にも影響されます。先端プロセスを用い半導体の集積度を高めるほど、半導体の性能は向上し、信頼性担保の重要度も上昇します。その結果、機能試験の複雑化と半導体試験時間の増大が進行し、より多くの試験装置需要へと結びつきます。
当連結会計年度においても、大手半導体メーカー各社において半導体高性能化への取り組みが積極的に進められたことが、半導体試験装置の需要を喚起しました。とりわけ5G通信の本格商用化が世界各国で迫る中、先端プロセスを用いた5Gスマートフォン用の半導体向けで、高水準な試験装置需要が通年継続しました。
これらの結果、受注高は2,878億円(前期比4.6%増)となり、過去最高の年度受注高を達成しました。売上高は2,759億円(同2.3%減)でした。利益面については、成長基盤強化に向け研究開発やサポート人員のリソース強化を積極的に行い販管費が増加したことで営業利益は587億円(同9.2%減)、税引前利益は586億円(同11.5%減)、当期利益は535億円(同6.1%減)となりました。なお前連結会計年度の営業利益には、固定資産売却や年金制度の一部を確定拠出年金制度へ移行したことに伴う、一過性の利益約35億円が含まれます。当連結会計年度の平均為替レートは米ドルが109円(前期110円)、ユーロが121円(同129円)、海外売上比率は94.6%(同94.7%)でした。

半導体・部品テストシステム事業部門

(単位: 億円)
  2019年3月期 2020年3月期 前期比
受注高 2,068 1,926 △6.9%
売上高 2,117 1,972 △6.9%
セグメント利益 651 652 0.1%

当部門では、最終需要が低調に推移した影響で、全体としては受注高、売上高ともに伸び悩みました。とりわけディスプレイ関連の試験装置の受注が大きく減少しました。一方、スマートフォンの基幹半導体であるアプリケーション・プロセッサやベースバンド・プロセッサを手掛ける大手半導体メーカー複数社が、5G向け次世代品の開発・量産準備を積極的に展開したことで、スマートフォン用SoC向けの試験装置に対する需要は好調でした。またデータセンター投資が回復に転じたことで、ロジック半導体を中心とするHPC(ハイ・パフォーマンス・コンピューティング)向けのSoCテストシステム受注が伸びたほか、年度後半にはメモリ・テストシステムに対する顧客の投資意欲も回復しました。

メカトロニクス関連事業部門

(単位: 億円)
  2019年3月期 2020年3月期 前期比
受注高 377 362 △4.0%
売上高 392 363 △7.5%
セグメント利益 △7 △5

当部門では、顧客の投資スケジュールの兼ね合いから、ナノテクノロジー製品の受注が伸び悩みました。またメモリ半導体市況の悪化が長期化している影響を受け、メモリ・テストと事業関連性の高い試験装置周辺機器の売上が振るいませんでした。

サービス他部門

(単位: 億円)
  2019年3月期 2020年3月期 前期比
受注高 307 591 92.6%
売上高 315 425 34.9%
セグメント利益 42 30 △30.1%

当部門では、サービス事業の需要が安定的に推移したことに加え、2019年2月に米Astronics社より譲り受けたシステムレベル・テスト事業の受注が好調だったことと、2020年1月に買収した米Essai社が連結業績に加わったことにより、業容が大きく拡大しております。さらにSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の普及が進展する中、SSDテスト・システムの需要も拡大しました。一方で事業譲受や買収に伴う一時的費用として、当部門の無形資産償却費が増加しました。

財政状態の概況

当連結会計年度末の総資産は、前年度末比512億円増加し、3,558億円となりました。この主な要因は、のれんおよび無形資産が249億円、使用権資産が112億円、現金および現金同等物が78億円、それぞれ増加したことなどによります。負債合計は、リース負債が113億円、退職給付に係る負債が31億円、それぞれ増加したことにより、前年度末比185億円増加し、1,243億円となりました。資本合計は、2,315億円となり、親会社所有者帰属持分比率は前年度末比0.1ポイント減少し、65.1%となりました。